「顎で喰らえ」更新担当の中西です!
さて今回は二郎系発祥の歴史について!
ラーメン二郎は、ラーメン業界の中でも異色の存在です。山盛りのもやしとキャベツ、極太麺、濃厚なスープ、大量の背脂、そして「ニンニク入れますか?」という独特の注文スタイル――そのすべてがラーメン好きの間で語り継がれ、今では「二郎インスパイア系」というジャンルまで生み出しました。
ラーメン二郎の発祥の歴史とその背景を深掘りしながら、日本のラーメン文化に与えた影響について解説します。
1. ラーメン二郎の誕生:1968年、慶應義塾大学前の小さな店から
① 創業者・山田拓美氏の挑戦
ラーメン二郎の創業者である山田拓美(やまだ たくみ)氏は、もともと都内のラーメン店「仙台屋」で修行していました。その後、独立を決意し、1968年に東京都港区三田(慶應義塾大学の近く)で屋台営業をスタートします。
当初の店名は「ラーメン次郎」と表記されていましたが、後に「ラーメン二郎」に変更。この店が、後に全国に広がる「二郎系ラーメン」の原点になります。
2. 二郎ラーメンの特徴:なぜ唯一無二の存在になったのか?
① 常識破りの「量」と「スタイル」
- 極太の自家製麺:一般的なラーメンの麺よりも圧倒的に太く、ワシワシとした食感が特徴。
- 超濃厚な豚骨醤油スープ:大量の豚骨と醤油ダレを使用し、脂の甘みと強烈なコクを持つ。
- 大量のもやし&キャベツ:通称「ヤサイ」。これでもかというほど山盛りにされる。
- 背脂とニンニクのトッピング:「アブラ」「カラメ」「ニンニク」など、独自のトッピング文化が確立。
- ボリューム満点の豚(チャーシュー):厚切りの煮豚が豪快にのる。
この「暴力的なまでのボリュームとカロリー」が、一部のラーメンファンを熱狂させ、カルト的な人気を博すようになります。
3. 進化と拡大:「ジロリアン文化」の誕生(1970年代~1990年代)
① 三田本店のカルト的人気
1970年代から1980年代にかけて、慶應義塾大学の学生たちの間で「二郎は食べ物ではない、二郎という名の何かだ」という言葉が広まり、次第に「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファン層が形成されるようになります。
- 「二郎を食べたら、他のラーメンが食べられなくなる」という中毒性のある魅力が話題に。
- ローカルな店舗ながら、遠方からの客も訪れるようになる。
② 1990年代:二郎の暖簾分けが全国に広がる
1990年代に入ると、三田本店で修行した弟子たちが「ラーメン二郎○○店」として各地に暖簾分け店舗をオープンし、二郎ラーメンが全国的な知名度を得るようになります。
- 最初の支店は「ラーメン二郎 目黒店」(1996年開店)
- その後、新宿、小滝橋、仙川、環七一之江など、次々と店舗が増加。
- 2000年代には、関東圏を中心に二郎の店舗が増え、全国的な人気へ。
4. 「二郎インスパイア系」の誕生と全国的ブーム(2000年代~現在)
① 二郎系ラーメンの「インスパイア店」続々登場
2000年代に入ると、二郎と関係のない店が「二郎系」「インスパイア系」として類似したスタイルのラーメンを提供するようになります。
- 代表的なインスパイア系ラーメン店
- 「ラーメン富士丸」:二郎から派生し、独自のスタイルを確立。
- 「野郎ラーメン」:チェーン展開を行い、全国的に二郎系を広める。
- 「立川マシマシ」:更なる大盛りメニューを開発し、話題を呼ぶ。
② 海外進出とメディアの影響
2010年代以降、二郎系ラーメンは日本国内だけでなく、アメリカ、東南アジアなど海外にも進出し、YouTubeやSNSでも大きな話題を呼ぶようになります。
- ニューヨークやロサンゼルスにも二郎系ラーメンの専門店が登場。
- フードチャレンジ系YouTuberが二郎の大食い動画を投稿し、世界的な人気が拡大。
5. 二郎ラーメンの社会的影響と未来
① 「二郎は文化」である
- 「ラーメン二郎」というブランドは、単なるラーメン店を超えて、一種の食文化になっています。
- 「ジロリアン」という熱狂的なファン層がSNSやブログで情報を発信し、独自のコミュニティを形成。
② 健康志向との対立と新たな進化
- 超高カロリー&高塩分の二郎ラーメンは、一方で健康志向の人々からは敬遠されることも。
- しかし、「ライトな二郎系」や「ベジ二郎(野菜をメインにした二郎)」などの新たなバリエーションも登場。
- 未来の二郎ラーメンは、健康志向と伝統のバランスを取りながら進化する可能性がある。
6. まとめ:なぜ二郎ラーメンはここまで愛されるのか?
ラーメン二郎は、1968年に慶應義塾大学前で誕生し、常識破りのボリュームと中毒性のある味でカルト的な人気を獲得しました。そして、1990年代以降の全国展開、2000年代のインスパイア系の登場、2020年代の海外進出と、今なお進化を続けています。
二郎は単なるラーメンではなく、二郎という食文化。これからも、多くのジロリアンたちに愛され続けるでしょう。
